インドネシア出張で感じるエコノミック・ヒットマン

12月上旬にインドネシア出張が入って、帰国の翌日から社員旅行に箱根で、もぅ仕事が溜まるわ増えるわで12月も半ば。平日は毎日残業で、土日は全部予定入れてしまっていて、

書いておきたい事が山盛りあるけど、時間がない。

でも今書いて置かないと、忘れてしまう。

でも時間がない。

でも忘れたくない。

 

帰国して毎晩寝る前にこの気持ちと葛藤して今日まできて、ふと気付きましたり

葛藤するくらいなら、書こっ。

 

 

 

初めてのインドネシアは、仕事で現地工場に出向いたのですが、聞いてはいたものの、ジャカルタの都市開発の凄さに圧倒されました。

まるでジャングルの中にビルを作ってるみたいに、モリモリ生い茂った森林の横にビル、そしてモリモリ、ビル、モリモリみたいな景色。とても異様な感じでした。しかも外資系のビルが立ち並び、最近読んでいるエコノミック・ヒットマンを連想させる街並みでした。

 

ここで少しエコノミック・ヒットマンの説明を。

エコノミック・ヒットマンとは、経済工作員の人のことです。(めちゃくちゃ簡単に言うと)先進国が途上国に貸付をし、インフラを整えたりするのを助ける援助をするのですが、貸付の利息が高いので、返しても返しても利息ばかりで元金が減らない。

更に大手企業が、「貧しいなら、うちの会社や工場を作って雇用を増やして助けてあげるよ!」と笑顔で歩み寄るのですが、低賃金労働の始まりになったり、自然が壊されたりします。また、その大企業の売り上げは、現地でなく、本社(先進国)に行くので、全く経済が発展せず、借金は減らずと言う無限ループ。一度合意してしまうと、一生その先進国の子分になるしかない、という経済政策で、それを仕掛ける人がエコノミック・ヒットマンと言われる人たちです。代表的な国が、アメリカ。

その名も【エコノミック・ヒットマン】という本に、詳しく書かれているのですが、これ、エコノミック・ヒットマンだったジョン・パーキンスというアメリカ人のご本人が出した告発本です。

アメリカ大国を作るべく、特別な教育を受けたエリートたちが、特に80年代は、沢山の途上国に貸付をし、借金返済が出来ない国に言います。

「お金、全然返してくれてないやん?約束違いますやん?ほな、とりあえず国連会議でアメリカに賛成してよね」と。グローバル版なにわ金融のアメリカはん、怖いです。

アメリカの石油産業に反対した途上国の大統領や活動家が暗殺されたという話も書かれています。

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先日、ジョン・パーキンス氏とZoom(オンラインカメラ)で、日本とカリフォルニアを繋いだ講演会があり、ご本人から直接話を聞く事が出来たのですが、まぁ信じがたい恐ろしい話で、でも信じると全てが繋がる、そしてまた恐ろしくなる。ご興味のある方は、震えながら読んで下さい。

 

 

話を戻します。

渋滞する高速道路をトロトロ走りながら、インドネシアの、モリモリ、ビル、モリモリ、ビルの景色を見て、この国もアメリカはんの傘下なのだろうかと眺めていると、同行していた副社長(レバノン人)が、

「思ったより発展してる国でしょ?ビルとか凄いでしょ」と話しかけて下さり、

 

そうですね、と笑顔で流せる性格ではないので、 

 

「そうですけど、外資系の看板ばかりですね。先進国に経済工作員という人たちがいて、途上国を食い物にしていくという話を聞いたのですが、インドネシアもやられてしまったんでしょうか」と言うと、

 

副社長は、目を見開いて、

「凄いね、よく、知ってるね。本読んだ?」と返して下さり、

 

私も、まさか副社長が反応して下さると思わず、「エコノミック・ヒットマン読んでます!」と何故か笑顔で返し、すると

 

副社長「it's hard to believe, right? but it's true. (信じがたいだろ?でも真実だから。)」とそこから副社長のエンジンもかかり、突然政治の難しい話が英語になり、

 

 

 

 

そうですね、と笑顔で流さなかった自分を少し後悔したのですが、

 

話を聞いていくと、今のアメリカに80年代の力はなく、インドネシアは、ある国のエコノミック・ヒットマンによって開発が進んでいるとのことでした。アメリカを凌ぐ勢いで、国土をどんどん広げたいあのお国、中国はんのご登場です。そして、ザトウクジラの聖地、スリランカは、既に中国はんに堕ちた、と聞いて、えらいことに…と思っていたら、帰国した翌日のニュースが「スリランカ、今後99年間中国に港を譲渡。借金のカタに」と言う見出し。あまりのリアルタイムさに、副社長凄いっ!というのと、インドネシアも時間の問題なんだなと強く感じました。

 

宿泊先のヒルトンホテルは、ドリンクを頼めば紙のストローだったし、エントランスは、リサイクルのプラスチックで作られたオブジェは、吹き抜けの天井から下に輝かしく吊り下がってあり、

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環境に配慮してる先進的なアピールの一方、

一歩ホテルから出ると街はゴミだらけ。人々は、ゴミは川に捨てるものという認識で、

 

地球は、本当ににどうなってしまうのだろう、と光が見えなくなってしまいました。

 

資源を取り合って、時間に追われて、お金に振り回されているトランス状態の現代人。

 

お金は大切だし、私もお金はあればあるだけいいなと思うけど、

 

自然や大切な人との時間、健康であるという真の裕福さを見失なわないようにしたいと改めて感じたインドネシアでした。