映画 SIMPLE LIFE
今日は、また西宮にある隠れ家で映画を見てきました。
SIMPLE LIFEと題したtiny house(小さな家)に住む人たちの物語です。
実は、アメリカにいる時、24時間物件のリフォームなどを放送してる専門チャンネルにハマっていて、そこでtiny houseを知った私は、いつかは旅をしながら家を引っ張って生活したいと思うようになり、
帰国して色々調べたのですが、日本は道路も狭いし、法律もアメリカと違うので難しいと分かり、諦めたというか、一旦保留中だったのですが、
Simple Lifeという映画があるよと知ってしまい、見ないわけにはいかず、見たらまた火がついてしまうよなと思いながら、悩んだあげく、
行きましたよね、ウキウキで。
内容は、アメリカで観まくっただけあって、tiny houseそのものは知ってることばかりだったんですが、1973年にまだtiny houseという言葉も生まれていない、そのものすらなかった時代にtiny homeという本を出していた仙人みたいなおじいちゃんが出てきて、言うんです。
「最近は流行りでtiny houseと言うが、私はtiny homeと言う。houseは、建物を表すが、homeは、寛げる空間とか、そこに集まる人と安らぐことを想像させるんだ」と。
痺れちゃいました。
そうやねん、そーゆーことですねん、仙人!
旅をする事や自由でいることは、何よりも贅沢なんだということや、
広い土地で大きな家に住んだ人ほど、小さい家を好むというのも、とても心に響きました。
3LDKの狭いマンションで育った私は、一戸建ての大きな家に住みたいとずっと思って大人になり実家を出て、
10年ほど住んだ会社の寮は、一軒家で夢の広さだったけど、自由がなくて、
30過ぎて渡米して、お医者さんの家にホームステイすることになって、
広い家と自由な時間、プール付きのお庭に、可愛い子犬たちと暮らして、なんて幸せなんだろうって。
そんなある日、フロリダの日本食屋のオーナー夫妻に、その幸せを語りながら、アメリカみたいな大きな国で大きな家を買って住みたいと言うと、
旦那さんが言いました。
「フロリダでは、5000万円あればお城みたいな家と広いお庭が手に入るよ。でもね、よく考えて。人間はさ、寝る分のさ、畳一畳あれば生きてゆけるわけ。若い時は、大きな家に住みたいなーて思うだろうけどね、年取って動かなくなると尚更だよ。使ってない部屋ばかりになってね。お庭の手入れも掃除も大変でさ。必要ないのよ、大きい家って。」
寝て1畳、起きて半畳。
その言葉は、時間が経つ程に、私の中で大きく膨らんでいき、
今日の映画も含めて、
歳を重ねるたびに、
物を持たずに、
どんどんシンプルに生きて生きたいと
多分それが私の心と身体によくて、
地球にもいいことなんだなって思う訳です。
初めは、tiny houseて可愛いなと、面白半分でハマっていったのだけれど、
それは哲学的に人生を設計した人たちが選んだ生活スタイルであり、物に溢れて生きる現代の私たちが向き合うテーマのような気がします。
映画をみて火がついてしまう自分が怖くてビクビクして足を運んだけれど、
哲学的な思考に触れることが出来て、tiny houseに憧れるのではなく、今ある環境で物を減らして、身軽に生きることも、プロセスとしは同じなのではないか、と思える、素敵な作品でした。